片付けのプロ目線で見る『魔法のリノベ』第5話

私たちライフオーガナイザー(思考の整理からはじめるコンサルティング型の片づけ支援サービスのプロ)がこの夏注目しているドラマ『魔法のリノベ』。

前回第4話の感想ブログはこちら↓

第5話は『忍び込まれる家』。

あらすじ↓

玄之介(間宮祥太朗)のもとに、元妻・雪乃と駆け落ちした弟の寅之介から一通のメールが届く。玄之介を裏切った罪悪感からか、雪乃の精神状態が不安定だという。あまりにぶしつけな内容に無視を決め込む玄之介だったが、やがて寅之介は会って話したいと言い出す。時を同じくして『まるふく工務店』には、70歳で一人暮らしの鎌田武彦(岩松了)から、防犯リフォームの依頼が入る。数日前、侵入した泥棒を追い払った武勇伝を喜々として話す鎌田に対し、玄之介は鍵のつけ替えや防犯ガラスへの交換など、あらゆる防犯対策を進言。すっかり営業らしくなった息子の成長に蔵之介(遠藤憲一)は喜び、玄之介が自分に追いつきたくて猛勉強していると知った小梅(波瑠)もまた、不覚にも、ほんの少しときめいてしまう。ところが……

ストーリー|魔法のリノベ | 関西テレビ放送 カンテレ より引用

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こういうおうち、見たことある!

今回見て思ったのが、

「すごいリアル!!!」

実際にどなたかのお宅で撮影したのかそれともセットなのかわかりませんけど、『子どもが独立したあと、70歳親が一人で住んでいる家』の雰囲気がとっても出てる!

まず、つぼや掛け軸、日本人形といった置き物・飾り物をはじめ、ペナントや賞状、トロフィーとか個人的なものもたくさん飾ってある。

今の若い人ってペナント知ってるんでしょうか……。

重厚な家具の中にも本やらおみやげ系と思われる飾り物やらが多かったりとか。よく見るとVHSテープとデッキと思われるものもある!

すごくリアルです。。。

それなりに裕福なご家庭設定と思われます。あとは、これに大量のレコードと重厚なステレオセットがあれば完璧だったかも!?

それから・・・よりリアルだと思ったのが2階の空き部屋。

使わなくなった大物を一部屋にまとめた物置部屋みたいなのがありましたけど、実際ホントにこんな感じです。リアルすぎて「これもしかして私のお客様のお宅?」と思うくらい。いや、実際には違いますけど。でも、階段周りとかも似てたなぁ。

ドラマでもダンボールがあちこちに積まれてましたが、実際の片付け現場でもたとえば2階の他の部屋は子どもが使っていた机やベッドなどの大物や、子どもの荷物(学用品とかマンガ本とか)がダンボールに入っている状態で置かれていることが多いです。

職業柄、ドラマで自宅のシーンが映ると間取りとか家具とか置いてあるものとかに目が行くんですけど、今回は一時停止して結構見入っちゃいました。

アフターでは空き部屋を始め、いくつかの部屋は片付けてリフォームした体になってますが、撮影は物をよけるだけかもですが実際はあれを一つ一つ片付けなきゃだからまあまあ大変な作業です(汗)。

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目指すは「理想」じゃなくて「着地点」

前回の第4話に続き今回も、子が同居しているか否かの違いはあれど、夫婦どちらかが亡くなっている設定。

さらに、今回のように子どもが独立したあとに親が一人暮らしをしている「実家どうする問題」はこの高齢化社会の日本では深刻な問題です。

親元を離れて新たな世帯を持つ子の立場としては、親には自宅を引き払って自分の家の近くに住んでほしい。

自分が建てた家にずっとすみ続けた親の立場としては、思い入れのあるこの家を引き払って知らない土地に行くのはいやだ。

私はまだ立場的には子のほうですけれど、自分だったら「自分の意志ではない引っ越しはいや」派なので気持ち的には親の立場かなぁ。

まあ、正解はないですよね。

ドラマでも玄之介が着地点って表現してますね。

***

以下は片づけの仕事をする身としての個人的つぶやき。

前回の第4話の感想ブログにも書いたんですけど。

どこまでなら許容できるか?「できるだけ優先したい」思いを尊重しながら、ここのラインを探っていくのが難しいんですよねぇ。個人的にはそれがこのドラマの見どころだと思ってます。

『魔法のリノベ』の好きなところは、理想を実現するんじゃなくって着地点を見つけて雨降って地固まる的に終わるところ。

ここだけの話、
(といいながらブログに書いてる時点で全然ここだけじゃないけど)

今の片づけ業界、

自分の理想を描きましょう
その理想の暮らしを手に入れましょう~

みたいなこと言うの、すごく増えてます。

でもね、言わせてもらっていいですか!?

理想を描くのはいいんです。大事です。

でも……

一人暮らしでもない限り、理想を完璧に反映させることなんて無理

家族と住んでいれば、家族それぞれの理想がある。だれかがいいと思っているものも、他のだれかはそうでもなかったりするもんです。

たまたま家族全員の価値観が一致して家族間のもめごとはなくても、構造的な問題とか金銭的な問題とかで制限がでることだってあります。

むしろ、(当初描いてた理想とはちょっと違うかもだけど)結果的にみんなが納得できてよかったね!っていう家族間の最大公約数ですね。そういう着地点を提案するのがホントのプロってもんだし私はそういうプロでありたいです。

魔法のリノベでは、結論はお客様が決める、自分たちはあくまでも着地点を提案する(お客様を誘導しない)というスタンスなので、ライフオーガナイズと通じるものがあって毎回共感しながら見ています。

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今回のビフォーアフター

今回は防犯対策&寝室の出入り口を変えてお風呂場でのヒートショック防止というリノベでした。

1話目の片付けられない主婦の話でも出入り口を変えるリフォームありましたが、動線って大事ですよね。建て替えしなくても、動線を変えるだけでも住みやすくなったりするんですよ!

***

ミニチュア制作を担当している『J-FACTORY』さんのツイッターで、第5話の模型がアップされてます。ペナントなど飾り物の再現度!

それにしても週一軒のペースって……(汗)

元模型屋としては毎回毎回作るのしんどいだろうなと想像してますが、セットもそうだし図面やCADも毎回毎回作ってるんですからすごいです!!

CADなどを担当されている福井コンピュータアーキテクトさんのサイトでは魔法のリノベ特設サイトが開設されてました。パースやCADコンテンツが閲覧できますよ~(登録要)。

リノベーション特設サイト 福井コンピュータアーキテクト株式会社