私たちライフオーガナイザー(思考の整理からはじめるコンサルティング型の片づけ支援サービスのプロ)がこの夏注目しているドラマ『魔法のリノベ』。
前回第3話の感想ブログはこちら↓
第4話は『家相が悪い家』。
あらすじはこちら↓
「まるふく工務店」に外壁の塗装と瓦屋根の補修を依頼していた小山田真理(渡辺真起子)が、突然、キャンセルを申し出る。すでに工事は始まり、足場も組んでいたことから、外装屋の番頭・華丸(寺島進)は怒り心頭。慌てた小梅(波瑠)と玄之介(間宮祥太朗)が小山田邸に向かい、話を聞くと、真理は、風水に精通した義理の姉・保科千恵子(浅野ゆう子)に、家相が悪いことを指摘されたという。
ストーリー|魔法のリノベ | 関西テレビ放送 カンテレ より引用
風水案件は業者泣かせ
今回のテーマは風水。
ドラマの中で竜之介が「よりにもよって風水案件」ってセリフをいうんですけど……。
すんごいわかります!!
私も数は少ないですが風水案件ありました。風水信仰している人、ごめんなさいね。でも、片付け業界でも風水案件って、かなりご提案の幅がせばまってしまうので業者泣かせなんですよ。。。
今回、お客様の意向を取り入れて引いてみた図面は寝室とトイレが別フロア。
これ、子はいいとして親はこの先老いていきますから、寝室とトイレが別フロアってキツイです。竜之介が「改悪リノベ」って言ってましたけど、住みにくくなるのわかっててプラン提案するのはプロとしてはかなり抵抗ありますよね。
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ただ、確かに片付け現場でも風水案件は大変なんですけれど、風水自体や風水を信じているお客様自身をとやかくいうつもりはありません。
お客様的には優先順位の上位が風水だっただけ。風水的によくない配置を選んでまで片付けやすさを優先したくない。
お客様にとってはこれもひとつの価値観なわけで、こっちが「それはおかしいですよ」と否定するのも非難するのも違う。お客様的には自分が大事にしているモノ・コトを邪険に扱われるのっていい気がしませんしね。
風水に限った話じゃないんですが、どこまでなら許容できるか?「できるだけ優先したい」思いを尊重しながら、ここのラインを探っていくのが難しいんですよねぇ。個人的にはそれがこのドラマの見どころだと思ってます。
相手の懐に入ってみる
第4話で取り上げたい小梅の営業スキルは相手の懐に入ること。
今回のゲスト、小山田家での打ち合わせで、浅野ゆう子さん演じる風水に詳しい義理姉が同席するシーン。自分のことを「波動高いから」とか「スピ子だから」という義理姉は、はなからまるふくのプランを受け入れるつもりはありません。
そこで小梅は――多分小梅はスピとは対極にいるタイプだと思いますが、それを表に出さずに義理姉さんを立てるようなセリフを言います。
想像ですけど、義理姉さんふだんから甥っ子には「うさんくさい」と疎ましがられてるんでしょうね。もしかしたら実の弟(小山田夫)からも疎ましがられていたかもしれませんね。
そんな義理姉さんだったとしたら……。小梅が自分の意見を尊重してくれて嬉しくないわけがありません。
義理姉さん、嬉々として小梅たちに風水の何たるかを教えはじめます。
ここですここ。あなたのプランは改悪ですよ、自分たちのプランはいいですよと、ゴリ押しするのではなく(言葉で書くと「こんな事する人いないだろ?!」って思われがちですけど、他をけなして自分を上げる手法って意外と使われてます……)まずは相手の懐に入る。
自分たちのプランは受け入れてもらうのは難しいけれど、自分たちは受け入れてもらう。まずは関係性づくりです。
結局は人対人の仕事ですから。いくらプランが良くても自分のことを否定する営業なんかから買いたくないです(苦笑)。
片付け的にも50代は人生の分岐点
今回は「夫に先立たれて妻と社会人の息子の二人暮らし」という設定。
夫婦のどちらかが早くに亡くなるとか、子どもが独立して自宅を出るとか。家族全員がフルでひとつ屋根の下で暮らしている期間なんて意外と短かかったりするものです。
そのような変化が起こり始めるのが50代。
家を建てる時期って子が小学生に上がるタイミングが多いですから、だいたい築15~20年くらいは経っていることになります。20年経つと今回のように外壁とか、まあまああちこちにガタが来ますから「そろそろリフォームを」って話が出てくる時期です。
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50代は人生のターニングポイント。暮らしが大きく変わったら家の外側の見直しもですが、家の内側にある持ち物を見直すことをおすすめします。
というのは、だんだんしんどくなってくるから。
50代なら「高いところから物を下ろすのがしんどくなってきたな~」とまだ冗談ぽく言いながらこなすことができますが、だんだんホントにしんどくなります。年齢とともに腕や足が上がりにくくなるし力も弱くなるし目も見えづらくなるし。危険です。
「平気平気。このくらい大したことない」と、椅子に登って高いところにしまってあるものを取り出そうとしたら椅子から落ちてケガをしてしまったとか。
身体機能だけじゃないです。認知機能も衰えてきます。大事な書類をどこにしまったか思い出せなくなってしまって金銭的なトラブルが発生してしまったとか。
今まで平気だと思ってきたことが平気じゃなくなった。そういうちょっとしたことがきっかけで自信を失ってしまって、御本人のメンタルがガクッと一段下がりがちなんです。自分の老化現象にショックを受けてしまって。
これってしんどい。本人も周りも。
人生は長いですから。人生後半をそれなりに楽しく暮らしていくためにも、片付けることで解消できる不安要素があるなら早いうちに解消しておくのがよいと思ってます。
今回のビフォーアフター
今回は「トイレの位置を変更」という、ビフォーアフター的にはやや変化の少ないリノベでしたが、個人的にはトイレのドアの位置に注目してほしい!
ビフォーではトイレの正面だったのがアフターではトイレの横。
ドアが横にあるほうが車いすでも出入りがしやすいと言われていますから、今回のリノベでも施主が50代ということでそこはしっかり抑えてましたね~
間取りを大きく変えなかった分、ところどころに風水の置物が置かれてて、義理姉さんのアドバイスも取り入れたアフターということなんでしょう。
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ミニチュア制作を担当している『J-FACTORY』さんのツイッターで、第4話の模型がアップされてます。こちらは義理姉さんの意見を反映させたプランの模型ですね。