【ライブレポ】THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL-(2020.11.03東京ドーム)

去る11/3、東京ドームにイエローモンキーのライブに参戦してきました。

 

イエモンファンでもない人やライブ再開に肯定的ではない人にも読んでいただけるよう、コロナ禍でのライブ開催を記録に残したいと思います。

 

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延期〜振替公演決定

『観客キャパは0~100%の間のどこか』だった振替公演

去年の12/28のナゴヤドーム、今年の2/11の京セラドームに続き、本来なら4/4,5の東京ドーム2DAYSで30周年のドームツアーのラストを締める予定でした。

 

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コロナウイルスの影響で延期となり、振替公演を開催すべく日程調整を行っているけれど、やむなく中止となる可能性もあると公式からアナウンス。

ええ、待ちますよ。なんせ我々ファンは15年待ったんだから。

 

数か月後。

我らがイエローモンキーは、ファンの想像の斜め上行く振替公演を用意してくれました。

 

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE
THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE 特設サイト

 

『THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE DOME and ARENA

東京ドームに加え、アリーナクラスの横アリ代々木武道館の全4会場でのライブ。

前より増えてる!!

ドーム1DAYなんて聞いたことないよ……

 

ただし、観客のキャパシティ設定は0%から100%の間。コロナウイルスの感染拡大状況によって無観客開催もありのライブ開催決定。

「どうなってもライブはやる」

もうね、これだけでもライブに対するメンバーはじめ関係者の決意をヒシヒシと感じました。

そりゃファンとしてもどういう形になったとしてもライブは観るよね・・・

 

最終的なキャパは半数にも満たない19000人

幸い、再び規制が強まることなくライブ当日を迎えることができましたが、結果的にキャパは半分にも満たない19000人。

 

翌日のTVや、ネットニュースとかで会場の様子を見た人の中には、画面で見ると結構入っているように見えて「大丈夫なの?」と思われたかもしれませんが・・・

座席は前後左右一個飛ばし。実際はスッカスカでした。

これがダメなら、日常生活でもアウトなシーンあると思う。。。

 

今回のライブでの感染拡大防止策あれこれ

すでにアリーナクラスではライブが再開されつつありますが、ドーム規模のライブは今回のイエローモンキーが初。

ライブを開催するにあたりいろんなお願いがありました。

 

マスク着用などの基本的な対策をはじめ、

・ライブ中の声援禁止
・COCOAの事前インストール&当日入場時に画面確認
・ライブグッズの事前販売(当日販売はほぼなし)
・入場時の手指や靴底などの消毒
・入場時の体温チェック
・チケットはすべて電子チケット
・入場時のチラシ配布無し
・入場時も座席ごとの規制入場
・ライブ前後の集まりを控えるお願い

等々。

ライブにかかわるすべての人が感染しないよう、あらゆる対策が施されていいました。

 

そして、声が出せないならではの企画『Sing Loud!』。

歓声募集企画「Sing Loud! あなたの声を、会場へ、メンバーへ。」本日スタート!
11月3日の東京ドーム公演を皮切りに4会場で開催される「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE」へ、歌声や歓声で参加できるスペシャル企画「Sing Loud! あなたの声を、会場へ、メンバーへ。」が本日スタートいたしました!この「Sing Loud!」は、どんな場所でライブを観戦...

 

これ、先日の報ステでも取り上げてくれてましたけど、事前に歓声を集めて当日ライブで流す企画。

『ライブに行きたくても環境的に許されない人も、声だけでも一緒に参加できるように』。

その心意気がまたうれしい。

 

というわけで。ここからは実際のライブの話。

まずはセトリから。

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今回のセトリについて

セットリスト全25曲

2020.11.03 THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE -DOME SPECIAL- セットリスト

  • 01.真珠色の革命時代 (Pearl Light Of Revolution)
  • 02.追憶のマーメイド
  • 03.SPARK
  • 04.Balloon Balloon
  • 05.Tactics
  • 06.球根
  • —サブステへ移動—
  • 07.花吹雪
  • 08.Four Seasons
  • 09.Foxy Blue Love
  • 10.SLEEPLESS IMAGINATION
  • 11.熱帯夜
  • 12.BURN
  • 13.JAM
  • —メインステージへ移動—
  • 14.メロメ
  • 15.天道虫
  • 16.パンチドランカー
  • 17.Love Communication
  • 18.バラ色の日々
  • 19.SUCK OF LIFE
  • 20.パール
  • 21.未来はみないで
  • —encore—
  • 22.楽園
  • 23.ALRIGHT
  • 24.悲しきASIAN BOY
  • 25.プライマル。

 

1番驚いたこと:まさかやると思ってなかった『メロメ』

今回のライブで一番びっくりして、もう一回聴きたいと一番思ったのが『メロメ』。

まさかこれをやるとは思ってなかった(2017年のドームでやるかと思ったけどやらなかったから「メロメ」(と、あと「峠」)はもう演らないのかと思い込んでた)ので、曲の最中は2001年のメロメがフラッシュバックしてて、正直ちゃんと聴けてなかった。

もう1回ちゃんと聴きたいけど、ドーム以外じゃやらないかもなぁ……

 

想像その1:本来なら『プライマル。』は第2章の幕切れ

だったんでしょうね。

普通?だったら『悲しきASIAN BOY』でライブ終了!となるところをあえてもう一曲やったのは、なんらかの意味があるはず。

 

2016年の復活後の活動を「第2章」と名付けていて、この30周年のドームライブで第2章を終えることは前々から宣言していたもんね。

復活後の2016年5月11日の代々木一曲目がプライマルだったし、4/5のドームのラストは『プライマル。』で締めるつもりだったんだろうなぁ。

 

想像その2:本来ならストリングスとかコーラスとかも

あったんだろうなぁ。

 

2月の京セラドームはマーチングバンドがオープニングを盛り上げてくれてたし、名古屋のちんどんや『べんてんや』さんは名古屋と大阪で30周年のお祝いムードを盛り上げてくれてました。

きっとこの東京ドームでも何らかのコラボ企画?があったはず。

 

上で書いたメロメを今回やったことや、オープニングの真珠色を考えると、きっとストリングスやコーラスが入る予定だったんだろうなぁ。

生音で聴きたかったな。

 

イエローモンキーの曲は不穏な時代にこそ響く

「ファンだから」というのもありますが、それを差し引いても彼らの(というか吉井和哉の)曲は不穏な時代にこそ響くものが少なくないと思うのです。

 

たとえば、世間的にはイエモンの代名詞と思われる『JAM』。

JAMは1995年の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こったころの、世の中が不安に包まれていたときに作られた、メッセージ性の強い歌です。

JAMも改めて聴くとこんな世の中だからこそ響くものがあったし、今回のライブはあえてその手の曲を多めに入れたのかな?なんて気がしました。

 

JAMだったら世間的に一番有名なあの飛行機のくだりではなく、そのあとの、

僕は何を思えばいいんだろう 僕は何て言えばいいんだろう
こんな夜は 逢いたくて 逢いたくて 逢いたくて
君に逢いたくて 君に逢いたくて
また明日を待ってる

とか。

 

『球根』の

世界はコナゴナになった
でも希望の水を僕はまいて

とか。

 

なかでも、特に今回は『Four Seasons』が印象深くて、——もともと個人的にも好きなフレーズがいっぱいあってTwitterのプロフ欄に”ストレートに行こうぜ 回り道は嫌い”というフレーズを拝借してるくらいなのですが——好きなところが多すぎて全部歌詞書かなきゃいけなくなっちゃうので、最後のあたりだけ。

In changing four seasons, I’m crying
美しい希望の季節が
すぐそこまで近づいてる
(中略)
だからまず僕は壊す 全部足りないから
まず僕は壊す 全部欲しいから

 

こんな時代けど未来に一筋の希望を見出すような歌詞にぐっときました。

前に進むためには壊さないとね。

 

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MCは少なめだったけど

コロナのせいもあってひかえめなのももちろんあっただろうけど、それよりもWOWOW生中継だったからだと思う。たぶん(笑)。

 

横道にそれますが、私が今後のライブの在り方で気がかりなのは、リアルライブそのものの機会が減るとか声援が出せないとか客席へ降りてこなくなるとか、そういうことも気がかりは気がかりなんだけど、一番気になっているのはデジタル配信がされるようになってライブそのものがおりこうさん的になっちゃうこと

イエモンに限らず、他のミュージシャンが好きな方も、ライブにWOWOWやスカパーなどの生中継が入るとMCが中継モードになりません??

 

それに、ミスとか突発的なアクシデントとか、ミュージシャン側が記録に残したくないものってあると思うんですよ。でも、デジタルって記録に残しやすい。

今後、リアルライブ+配信という形が主流になってきたら、(記録として残したくない)アクシデントをなるべく起こさないようにと、ライブが小さくまとまっちゃうんじゃないか。

やっぱりライブって良くも悪くも水物だと思うので、予定調和なライブがデフォルトになるのだけはいやだなぁと思ってます。

 

MC・小ネタ備忘録

話を戻して。ライブ中のMCや小ネタなどですが。

今回座席がステージから遠かったのでよく聞き取れなかったMCも少なくなく、ライブ後のTwitterで情報収集してからWOWOWで復習しました(笑)

 

  1. 『熱帯夜』のアウトロがコロナバージョン。
    ”I’m gonna take your hands”が”I’m gonna wash your hands“に
  2. 『Love Communication』の間奏で、エマに向かって「不滅の八重歯~~
  3. 新しい生活様式の『SUCK OF LIFE』はロビンマスク着用
  4. 『ALRIGHT』のメンバー紹介でヒーセに向かって「30周年&喜寿おめでとう!

 

不滅の八重歯にも笑ったし、ヒーセに「喜寿おめでとう」てw

いくら年上とはいえ、同じ50代でしょうにwww

 

あとはサックの新しい生活様式。

観客はライブ中ずーーっと声を漏らさずけなげに頑張ってたのに、サックのからみでロビンが出してきた秘密兵器(顔下半分がプリントされてるマスク)を装着したときは、会場から笑い声が0.5秒くらい漏れちゃったよね。

あれ、反則だと思う。

こういう仕込みを考えてるメンバー(ロビン?)の姿を想像すると笑うw

ライブ終了後にもまたマスクつけて、会場から笑い声が起こったらすかさず「あ、笑った!」って、小学生男子か!!

 

以上は小ネタ的なMCですが、アンコールでのMCでは

40周年50周年も絶対ここでやらせてもらいたいと思っています。

 

この2020年に30周年を迎えた(かつ、周年ライブが中止になった)ミュージシャンって多い気がするのですが(もしかしたら私の年齢的にそう感じるのかもしれないけど)、どのミュージシャンも40周年のときは盛大にお祝いできる世の中になってますように。

 

そしてもうひとつ、今回のライブでの1番の名言がありました……

 

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コロナ禍での有観客ライブ、実際どうだった?

やっぱり声を出せないのはもどかしいです。

ダウンタウンの「笑ってはいけない24時間」ならぬ「声を出してはいけない3時間」な感じでした(笑)。

曲と曲の間の、シーーーーンとしている時間を耐えるのが苦しかった…

あえてのC&Rがある曲をぶっこむ姿勢

ライブ序盤の5曲目『Tactics』。

イントロでエマのギターが流れてきて、

「え、これC&R(コール&レスポンス)どーすんの???」

正直、まだライブ序盤で歓声を送れないライブスタイルに慣れていない中でのこの選曲にとまどっていたらロビンの、

 

声はいらない。身体でください。

 

こんなこと言われたら、声じゃなくて身体で返すしかないよね(笑)

今回のベストMCは何といってもこれだと思う。

 

ライブ序盤で『Tactics』をやってくれたからこそ、早めにふっきれた人多かったんじゃないかと思います。

(歓声の代わりに拍手しすぎて手が痛かった……)

 

シンガロングも大成功だったと思う

『Tactics』のコール&レスポンスを無事乗り切り、次の懸案事項はシンガロング。

 

ここは、冒頭でも書いた『Sing Loud!』企画で前撮りした歓声が流れました。

今回私はステージからまあまあ距離がある席だったこともあって、実はうっすらとしか聞こえなかったので正直「さみしい……」と思ったのですが、帰ってからWOWOWで見たらちゃんと会場で歌ってるように聞こえてる!!!

 

JAMの2番の

Good night 数えきれぬ good night 罪を越えて
Good night 僕らは強く good night 美しく

も。

バラ色の日々の2番の

雨の中を何も見えずに走るのは
とても深く生かされるのを感じたような

これは感動的ではないですか。。。

次の横浜アリーナはセンター席だからもうちょっと歌声が聞こえるといいな。

 

少ない観客ならではのこと

人が少ないことで可能となったこともありました。

ひとつ目は振り。

前後左右に人がいないので思いっきりやっても全然ぶつからない。

熱帯夜とかラブコミとかエイジアンとかのワイパー曲は、ここぞとばかりにワイパーしました。いつもは隣の人にぶつからないように気をつけながらなので、みんなキレッキレだったと思う(笑)

熱帯夜で振り切り過ぎちゃって、腕につけたフリフラを吹っ飛ばしちゃったけど……

 

ふたつ目はステージが見やすい。

今回はスタンド席だったのでもともと傾斜がありましたが、私は背が低いので傾斜があったとしても前の座席の人が傾斜分以上に背が高いと前が見えないわけで(汗)。

前に人がいなかったから見通しがよかったです。

座席については左右もいないので荷物が置けるのも○。特に寒い季節になると荷物が増えますしね。

 

ほかにもトイレが早く済む、退場時も席を立ってから出口に行くまでの時間が短い、帰りの電車をまつ駅のホームもそんなに混んでない等々。

特に規制退場については、大規模会場では規制退場は従来からありましたが、順番を待たずに退場する人も少なくなかったと思うんですが、今回は多くの人が順番を守って座席で待機していました。

歓声についても誰一人上げることなくライブは終わりましたし、非常時の、規律を守る国民性が終始良い形で表れていたと思います。

 

あとね、しつこいようだけど、ドームに19000人てホントスカスカです。

どのくらいスカスカか?っていうと、、、

 

 

私、大きい音に敏感で、特効があるタイミングを知っているにもかかわらず、毎回ものすごくびっくりするんですが、今回の特効の爆発音は半端なかった!

なんか事故った?と思ったくらい。

すんごい響いてたし、なんなら反響してましたから。それだけ人が少なかったということがわかります。

 

まあ勝手が違うところはあったものの、いざ曲が始まってしまえばそこはいつもと同じ光景。

ステージ上の彼らが奏でる音楽に変わりはありませんでした。

 

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最後に

***

(11/11追記)

後日アップされたニュースの中から、「音楽と人」の青木優さんの記事。

THE YELLOW MONKEYが刻んだ新たな始まりの日。有観客の東京ドームで見たライヴバンドの矜持

 

確かにこの東京ドームも、4日後に開催された横浜アリーナも、会場前にライブ名の表示がありませんでした。

私もライブに行ったら必ずツアータイトルの看板を写真にとりますし、確かにあそこは人がたくさん集まりますもんね。

細部に至るまで、極力感染拡大しないための対策が取られていたんだろうなと改めて思います。

***

 

今回のこの東京ドームでの有観客ライブが吉と出るか凶と出るかはまだわかりません。

ただ私たち参加者は、バンドの将来やひいては音楽業界の将来を左右する大きな責任の一端を担うことになったわけで、改めて気が引き締まります。。。

 

でも、このライブがもしも今後の音楽業界のライブの在り方を考える大きな1歩となる日だとしたら、そんなきっかけのライブに参加できたことをうれしく思うし、そのライブにかかわったすべての方々に敬意を表したいですし、なによりイエローモンキーのファンでよかったと思っています。

 

ライブに行くことが当たり前にできる世の中に、早くなりますように・・・