無印のアルミハンガーといえば、片づけのプロがけっこうな割合でおすすめすることが多いアイテムのひとつ。もちろんわが家でも使っています。
子どもの服が増えてハンガーが足りなくなったので昨日無印で買ってきたんですが、ポールにかけてみてびっくり。
大きさが違う!!!
あわてて無印のサイトを確認すると……
※4547315915613アルミ洗濯用ハンガー・3本組 約幅41cmと一部仕様が異なります。
の文字発見。
いつの間にか仕様が変わってるーーー
ていうかサイズ違うしこれ別モノだよね???
これ、絶対変わってるの知らないで買っちゃってショック受けた人他にもいるんじゃないかなぁ……。というか、そうなる前に一人でも多くの人にリニューアルしたことを知らせるべく、めずらしく速攻で記事を書きました。
変更点①ハンガー幅が41cm→42cmに
現在販売されている商品は1cm大きくなり幅42cmに。
1cm大きくなったってことは左右0.5cmずつ大きくなったってことなので、ぱっと見あまり変わらなく見えるかもしれません。
でも、収納的にはハンガー幅1cmの違いはけっこう大事。しかも、無印のアルミハンガーは41cmという寸法が重要だっただけにそれを変更してしまったのはかなり残念なのです。
というのは一般的なハンガーの幅サイズ展開に関係があります。
- 紳士用…約44~45cm
- 婦人用…約38~39cm
- 子ども用…約32~33cm
『幅41cm』は婦人用と紳士用のちょうど真ん中。ハンガーを男女兼用で使うのに良いサイズだったんです。
それが42cmに変更となりどっちかというと紳士寄りなサイズ感になりました。「男女兼用で使えて便利ですよ」なテンションでは言いづらくなっちゃったなぁ。
昔に比べると今の子って大きいですもんね。基準となる体型が大型化?しての42cmなんだろうか。
変更点②ハンガー高さは約3cm大きく
最初の写真でもわかるようにハンガー自体の高さがかなり変わりました。フックのところをそろえて撮ったのがこちら。約3cm大きいです。
なんでハンガーの高さが高くなったのかは次にご紹介するハンガーの形の変化の影響なんですが、高さが変わると同時に肩の位置にけっこう違いが。
わかりやすいよう、新旧ハンガーにそれぞれ同じ服をかけて撮った写真を1枚に合成・加工してみました。
(濃いほうが新ハンガー・薄いほうが旧ハンガーにかけた服です)
肩先の位置、かなり違うのわかります?
「ハンガーをそろえると肩のラインがそろって見た目にもきれいになりますよ」と言っている片づけのプロは多分多いと思うんだけど、その点でもこのリニューアルは痛い……。
変更点③肩の傾斜と肩先のカーブが変わった
そして今回の最大のリニューアルがここ。形が変わりました。無印のサイトにも書いてあるように乾いたあとの衣類の肩が出っぱらないような形状になってます。
百聞は一見にしかず。できるだけハンガーの形の違いだけが影響するよう、衣類の重さを受けにくい薄手のシャツをかけてみました。
■旧ハンガー
■新ハンガー
新ハンガーのほうが「襟ー肩ー袖」のラインがなだらかになっています。肩先の出っぱりも旧ハンガーに比べると目立ちません。
ちなみに厚手の服だと新旧ともそれほど変わりません。実際にパーカーをかけてみました。
■旧ハンガー
■新ハンガー
ハンガーの頭から肩先に向けては新ハンガーのほうが若干なだらか?
でも肩の出っぱりは新旧ともにあります。厚手の服はそもそも服自体に重みがあるので、ハンガーに吊るしたときに重みで下に下がろうとする力が肩先にかかって、どうしてもでっぱっちゃうんですよね。
でも、そもそもアルミハンガー自体が厚手の服には不向きなので、そこまでアルミハンガーに求めたら酷というもの。厚手の服に関してはあくまでも参考ということで。
変更点④フックのカーブが浅くなった
ハンガーの形という点ではフックの形状も変わりました。
旧タイプが上、新タイプが下です。旧タイプのハンガーよりも新タイプの方が少しカーブが浅くなっています。
【片付けのプロ目線】今回の仕様変更がなぜ残念に思ったか
無印のアルミハンガーといえば収納界隈ではかなりのド定番品。
正直なところ、まさかの仕様変更にも驚きだし、その内容も仕様変更というよりは今までのハンガーが販売終了となり別物が出たといったほうが近いくらいだったのにも驚きでした。
***
今回のリニューアルでの製品的な変更点は上に書いたとおりですが、片付けのプロ目線で「なんでリニューアルしちゃたのーーー」という気持ちをまとめてみました。
肩の位置が変わる=すその位置が変わる
上で「リニューアルしたせいで肩の位置がそろわなくなった」と書きましたが、それは新たに買い足したい人たちの話。もしそろってることを優先するなら、極端な話新しいハンガーに全部買い換えれば解決です。
片付けのプロ的には、「肩の位置が変わる」は「そろう」「そろわない」の見た目の問題だけじゃなくて。肩の位置が下がればそれだけすその位置がさがります。
新旧でその様子を比較写真撮ってご紹介したいところなんですが、すその位置はちょっとした引っぱり具合で変わりやすいんですよ。だからいかようにもこっちの都合の良いように見せることができちゃう(笑)。
だから、上で使った合成写真で説明しますと、襟ぐりの位置をみてください。1cmくらいは下がってます。
洋服の形、とくに襟ぐりの形によってどのくらい裾が下がるのかは変わってきますが、襟ぐりが広い服だとすその位置も3cmくらいは下がりそう。「今までは下につかなかったけれど新しいハンガーにしたらすそが下に着いちゃった」みたいなこともありそうです。
うーーーん、3cm下がったらけっこう大きいよねぇ。
LDKでハンガー検証するときに柄の部分がやたら長いものは評価を下げたりしたんだけど、今度ハンガー検証で無印のアルミハンガー比較あったらちょっと考えちゃうかも……。
洗濯用?収納用?どっちに寄せたかったのか
モノ的には良くなったのはわかるんですよ。洗濯ハンガーとしては「乾いたときにハンガー跡がつきにくい」ってよいことですからね。
でも、個人的にはだからこその悲報。
収納用ハンガーとして人気が高かったアイテムを、形を変えてまでも洗濯用ハンガーとしての性能が良くなることに対してどのくらいのニーズがあったのかなぁなんて思ってしまいます。。。
いっぽうで、フックの形状。
本来、洗濯用ハンガーは外干ししたときに風に飛ばされないようフックのカーブが深めです。無印のアルミハンガー旧型も、洗濯用にも収納用にもどっちでもいけるギリギリの深さで作られてました。
それを今回のリニューアルでは変更。ポールにかけたり外したりがしやすいようフックのカーブが浅くなりました。これ、外干し派にとっては「外しやすい=外れやすい」でむしろ改悪なんではないでしょうか。
1cm「しか」なのか、1cm「も」なのか
ハンガー幅の1cmの差。これを1cm「しか」変わってないととるか1cm「も」変わってるととるか。
たしかに1cmってちょっとです。記事の最初のほうに載せた、新旧ハンガー重ねた写真見ても微々たる差。自分がプライベートで買い足しするなら、幅に関しては「まあ1cmだからいいか」と妥協するかもです。
でも。仕事でお客様に買い足しご提案……と考えると1cmの違いは大きい。
お客様がそこまでこだわらなくても、1cmだろうが5mmだろうがサイズが違えばそれは別物。そこをプロがお客様より先に「たいした違いじゃないですよ」なんて言えないですよね(汗)。
それと、もし新しくハンガー購入をおすすめするならたぶん、「42cmって婦人用ハンガーとしてはちょっと大きめなんですけど」と前置きした上でご提案します。ハンガーの42cmってそういう寸法なんですよ。
***
辛口ですみません。文句言うなら使うな!って感じですけどね……
あとね、、、
愛用品に求めることって性能をアップすることよりも、同じものをずっと使い続けることができる、買うことができる安心感だと思うんですよ。
愛用してたものがもう手に入らなくなるのがショックなんですよ……
そこはわかってほしいなあ。
無印大好きなだけにあえて率直な気持ちを書いてみました。